10代
骨量を増やすために運動と食生活を意識!
10代は骨にとって最大骨量を高められる最も大切な時期です。逆に言えば、この時期を逃すと十分な骨量(骨密度)を獲得することが難しくなります。
特に思春期前から思春期にかけた数年間は、骨量(骨密度)の増加にスパートがみられるので、「運動」と「食生活」をより意識して骨量(骨密度)を増やしていきましょう(女子の場合、月経を迎える前から取り組むことが望ましいとされています)。
運動
骨量(骨密度)は骨に加わる負荷が大きいほど増していくため、運動で骨に刺激を与えることが重要です。特に効果的なのは、バスケットボールや縄跳びなどで行われるジャンプ運動です。日ごろ体を動かすときに取り入れてみてください。
運動で注意したいポイント
①文部科学省が実施している「全国体力・運動能力,運動習慣等調査」(令和3年度)では、保健体育の時間を除いた1週間の総運動時間が60分に満たない女子の割合は、小学5年生で14.4%(男子8.8%)、中学2年生で18.1%(男子7.8%)となっており、同年代の男子よりも高い傾向にあります。10代の女子をお持ちのご家族は、運動ができる環境づくりや声掛けを意識して行いましょう。
②女子が激しいトレーニングなどで体を追い込み過ぎると「女性アスリートの三主徴」と呼ばれる3つのリスク(骨粗鬆症、エネルギー不足、無月経)を招く恐れがあります。骨がもろくなった状態で負荷がかかって疲労骨折が起こると、競技に戻るまで時間がかかります。また、無月経も骨量(骨密度)を増やす上で重要な女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下してしまいます。運動は適切な量と質を心掛け、活動に見合うエネルギーを補給してください。
食生活
十分な量のカルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを摂取しながら、バランスの良い食事を心掛けます。この時期に極端なダイエットを行うと、以下の理由などから骨量(骨密度)を得られない可能性があるため避けましょう。
- カルシウム不足など骨量(骨密度)の獲得に必要な栄養素やエネルギーが十分に得られない。
- 体重が軽すぎると骨に大きな負荷がかからず、骨に十分な刺激を与えられない可能性がある。
参考:1日に摂取するカルシウムの推奨量(10代)
10~11歳 | 12~14歳 | 15~17歳 | 18~(29)歳 | |
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男性 | 700mg | 1000mg | 800mg | 800mg |
女性 | 750mg | 800mg | 650mg | 650mg |
また、インスタント食品やスナック菓子、ハムなどの加工食品、清涼飲料水に多く含まれているリンは取り過ぎると体外へのカルシウムの排出を活発にしてしまうので注意します。